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[顔]子どものSOS 把握しやすく…教育現場向けアプリ「キミノミカタ」を開発 ケイトリン・プーザーさん 29

「いまどんな気持ち?」「ご飯をおいしく感じない時はある?」――。いじめだけでなく、家庭内暴力(DV)や育児放棄といった虐待など、子どものSOSを教育現場が把握するためのアプリ「kimino micata(キミノミカタ)」を開発した。子どもたちが簡単な質問に回答していくことで問題の兆候を検知し、緊急度もわかる仕組み。「アプリを通じ、学校を子どもが安心して声を上げられる場所にしたい」と話す。

 熊本市の小中学校でALT(外国語指導助手)を務めていた2019年、千葉県で10歳の女児が父親の虐待で死亡した事件を知った。学校に被害を訴えた女児のアンケートがそのまま父親の手に渡っていたことが衝撃だった。本人の同意なく第三者に情報が伝わる「アウティング」を防ぎ、子どもの権利をどう守るか。

 「多忙な先生の負担を軽減しつつ、子どもが安心して相談できる『子どもファースト』の見守りシステム」として、子どもの視点を最優先し、対応チームや特定の教諭だけが閲覧できる仕組みを考えた。起業家支援団体でアイデアを披露したところ、最優秀賞に選ばれ、アプリ化した。22年には「ガーディアン」(京都市)を創業し、事業の拡大にも取り組んでおり、熊本市内の小中高生ら約4000人が登録している。

 「いつでもどこでも、君の味方」との思いを込めたアプリには、子どもが相手を指定し、SOSを発信する機能も備えた。学校からの反応は上々で、手応えを感じている。「子どもたちにはいつもハッピーでいてほしい」と事業の海外展開も見据える。

(大阪経済部 高市由希帆)

  Caitlin Puzzar 英・リバプール出身。祖父と両親らが警察官の一家に育つ。自らも子どもを守る職を目指し、英・キール大で犯罪学と日本語を学び、来日。ガーディアン社代表取締役を務めている

出所: 読売新聞オンライン 2024年6月23日掲載      ※許可を得て掲載しています